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2024/12/23

年収の壁とは?働き方を左右する”見えない壁”

年収の壁とは?働き方を左右する”見えない壁”

メディアで耳にする”年収の壁”。何を壁と感じているのかをご存じですか?
このコラムでは、働き方を考える上でキーになる年収の壁についてまとめています。

年収の壁とは?

パートやアルバイトで働く人が、年収の一定額を超えると社会保険料や税負担が増え、手取り収入が減る可能性がある状況を指します。これにより、「ある程度以上収入を得ると損をする」という現象が生じ、特に主婦や扶養家族として働く方にとって重要なポイントとなっています。

大きな「壁」は3つ。
壁と呼ばれる収入額は複数ありますが、大きな違いがあるのが、以下の3つです。

・103万円の壁 → 所得税の納税義務
・130万円の壁 → 社会保険への加入義務
・150万円の壁 → 配偶者控除の縮小

これらはそれぞれ異なる制度に関連しているため、ご自身がどのような条件で収入を得るのか等、確認をした上で目安にしてください。

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なぜ「壁」と言われているのか?

「年収の壁」と言われる理由は、収入が一定額を超えた際に、以下のような影響があるからです。

1. 手取り収入の減少

例えば、103万円を超えると所得税が発生し、130万円を超えると社会保険料の支払いが必要になります。その結果、年収が増えたにもかかわらず、実際に手元に残る金額が減少する逆転現象が起きることがあります。

2. 扶養控除の喪失

配偶者の収入が一定額を超えると、配偶者控除が受けられなくなり、世帯全体の税負担が増える場合があります。特に130万円の壁を超えると扶養から外れ、配偶者の手取りが減るだけでなく、家計全体での税・保険料負担が増えるため、心理的なハードルが高くなります。

3. 働き方の制限

年収の壁を意識することで、「これ以上働くと損をする」という考えが生まれ、就業時間や収入を調整する人が多くいます。そのため、労働意欲やキャリア形成が抑制されるという課題が指摘されています。

年収の壁がもたらす影響とその背景

この「壁」は、社会保険や税制度の仕組みに起因しています。もともと、主婦や配偶者が家計を補助的に支える役割を担うという前提で制度が設計されていました。しかし、現代では共働き世帯が増え、パートやアルバイトでも高いスキルや責任を求められる仕事が増加しているため、「壁」が女性のキャリアや家庭の経済状況に与える影響が一層注目されています。

年収の壁をどう考えるべきか?

年収の壁を超えるかどうかは、家庭の状況や個人の目標によって判断が分かれます。この時に、ライフプランを軸に考えることが有効です。

壁を意識して収入を調整する場合

子育てや介護で時間が限られている場合、壁の範囲内で働き、家庭生活とのバランスを重視する選択が増えています。

例えば、「子どもが●●歳までパートで勤務しよう」等、まずは期間を決めてライフプランに落とし込みます。そうすることで、この期間の世帯収入はいくらになるのかを予測し、その間の貯蓄や資産運用にどれくらい費やせるのかを考えることができます。

もし、足りないと感じたら、「子どもが●●歳からは正社員フルタイムで頑張ろう!」と、目標を掲げ、正社員で働き始めてから貯蓄額を増やしていく計画を立てましょう。このひと工夫で、将来のお金の不安が解消され、心のゆとりに繋がります。

壁を超えて働く場合

キャリア形成や収入アップを重視する場合、壁を超えた後の手取り計算や社会保険のメリット(年金受給額の増加など)を考慮し、長期的な視点で働き方を選ぶことが重要です。

職場内での昇格や雇用形態の変更を目指したり、働き方が多様化している昨今、条件に合う職場を探してみても視野が広がり、心身ともに良い効果も期待できます。

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年収の壁の相談も専門家が味方に

「年収の壁」は、収入と税・保険料負担のバランスを見極める必要がある、日本の独特な考え方と言えるでしょう。これからも国が議論を続け、各種制度内容は変わっていきます。そのため、年々、あなたにとっての「見えない壁」の高さや形が変化してゆくことでしょう。
自分にとって最善の選択をするために、社会保険、税について少しづつでも良いので、理解することが大切です。

短期的に年収の壁のメリット部分を有効活用するのなら、その際は、長期的なライフプランを考慮して自分自身や家族の希望、将来の家族の形に合った働き方を選びましょう。

ライフプランコンシェルジュでは、お客様と対面して希望をお伺いしながら、丁寧にライフプランを作り上げていきます。
年収の壁のように、複数の制度の知識が必要なものや税についての情報を盛り込みながら、一緒に考えて、プラン作りをしますので、ご活用下さいね。

  

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