2025/01/28
どう準備する?大学進学に向けた教育資金
大学進学は、子どもが夢を追いかける大切なステップであり、親にとっても人生の大きな節目です。そして、大学進学にかかる教育資金の負担は決して軽いものではありません。このコラムでは、事前の準備から、急遽不足すると判明した時の”選択肢”をご紹介します。
大学進学にかかる費用を知る
教育資金を準備するには、どれだけの費用が必要なのかを把握することが重要です。費用は進学先や住む場所によって異なりますが、共通して「入学金」「授業料」「教材関連費」は必要です。
おおまかな費用は、以下のコラム内でまとめています。
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事前に準備をしておく
始めようと思ったときが始め時です。大学入学までの時間を有効に活用しましょう。
以下のような方法が一般的と言われています。
方法
特徴
預貯金
・元本は保証される
・インフレに対応できない
定期預金
・一定額を定期的に振り替えるので貯蓄しやすい
・インフレに対応できない
一般財形貯金
・給与等から天引きされるので確実に貯めることができる
・勤務先に制度が導入されていないと利用できない
学資保険
・契約者が万一のときは保険料の払込みが免除され、
それでも満期保険金や祝い金が受け取れる(保険料払込免除特約)
・インフレに対応できない
変額保険・外貨建て保険
・運用効果が期待でき、インフレに対応しやすい
・元本割れもありうる
投資信託(NISA)
・運用中の収益が非課税になる
・元本割れもありうる
参考:日本FP協会
キーは、貯める(増やす)ための原資をどのように用意し、いつまでに目標額を達成するのかを考えて、手段を検討することです。例えば、手堅くコツコツ積み上げていく方法として、児童手当を貯める方法が挙げられます。
自分に合う方法を探しましょう。
尚、お金に詳しく資産運用に自信がある方は、不動産投資や株などで教育費の一部を用意する等、工夫をしていますが、リスクが大きく万人におススメする方法ではないため、ここでは割愛します。
学費が不足すると分かったとき
「お子さんの希望する大学に入学させてあげたい」けれど、様々な理由で用意してあげられないことがあります。そんな時の選択肢になりうる方法をいくつかご紹介します。
大学の支援制度の利用
奨学金や、入学金・一部授業料の免除等、独自の制度を取り入れている学校が多くあります。一定の条件が設定されているため、詳細を確認し申請します。
入学後の授業料の支払いに不安がある場合、状況に応じて分納、減額といった対応をしてもらえる可能性もあるため、調べておくと良いでしょう。
奨学金や教育ローンの利用
・奨学金とは?
国の機関である日本学生支援機構の奨学金は入学前年度に申請を行う「予約型」と、大学入学後の「在学型」があります。奨学金の種類は、返済が不要な「給付型」と、返済が必要な「貸与型」の二種類です。いずれも在籍中の学校を通じて申し込みます。
親の収入などの条件があるため、こちらも詳細を確認しましょう。
・教育ローンとは?
各金融機関で扱う教育のためのローンです。機関ごとに、貸付可能額や金利が異なるため、数社の比較検討をおすすめします。
・貸与型奨学金と教育ローンは何が違うの?
大きな違いは、”返済義務を負う人”です。
比較対象
奨学金
※日本学生支援機構一般的な教育ローン
借入・債務者
本人(学生)
保護者
借入上限
第一種奨学金(無利子)
月額20,000~64,000円
第二種奨学金(利子あり)
月額20,000~120,000円数百万円~3,000万円が多い
借入金の受取方法
毎月定額
初めに一括受取
返済
卒業後
借入後すぐ
その他
・学力や、保護者の収入などの審査がある。
・入学後の取得単位や出席日数により、支援
打ち切りになる可能性がある・金融機関によって金利と貸付金額が異なる。
・申込者の信用があることが前提
参考:学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度:文部科学省
貸与型奨学金は本人が就職後に返済してゆく仕組みであるため、計画的に返済してゆく必要がある等、お子様と奨学金についてじっくり話し合う必要があります。
もしも浪人したら?予備校費用は?
予備校により費用が大きく異なります。大手予備校は70万円以上が相場と考えておきましょう。
また、民間の一部の銀行で予備校費用として借入可能な教育ローンがあります。
事前に調べておくと安心です。
令和7年度奨学金制度の改正
3人以上兄弟がいるご家庭は、令和7年から【多子世帯の大学等授業料・入学金の無償化】を利用できます。詳細は文科省HPをご覧ください。
参考:令和7年度からの奨学金制度の改正(多子世帯の大学等の授業料等無償化)に係るFAQ/文部科学省
大学受験がライフプランを濃いものに
いかがでしたか?
教育資金の考え方や、準備する適当な手段はご家庭ごとに異なります。そのため、ライフプランコンシェルジュでは、今の状況を伺いながら選択肢をご紹介しています。
また、大学受験は親子にとって人生の大きなイベントです。お子さんは自分の理想の人生を歩むために挑みます。親は、子どもの夢のために描いてきた自身のライフプランの一部を、これを機に見直します。
大学受験を終えたあと、その後の未来を想像して親子でライフプランを描きませんか?
これまでの夢がより明確になり、不透明だった未来もライフプランに描かれているかもしれません。
その時は、ぜひライフプランコンシェルジュにも教えて下さいね。